住宅ローン減税による家計の減税額を試算

 景気対策を最優先した2009年度税制改正の柱は過去最大規模の住宅ローン減税だ。住宅ローン減税の適用期限を延長し、平成21年から平成25年までに住宅に入居する場合、10年間で最大500万円、一般住宅より寿命が長い長期優良住宅は600万円の税額を所得税・住民税から差し引く。改正前の最大控除可能額は160万円だから大幅に拡充された。この拡充された住宅ローン減税の効果を試算したのは、みずほ総研のレポートである。

 レポートは、モデル世帯を想定して具体的な減税額を試算。35歳時に3000万円の住宅ローンを年利3%、返済期間25年で借り入れたケースで、10年間合計の減税額は、2人世帯(夫婦のみ)では約244万円、3人世帯(夫婦と子ども1人)では約228万円、4人世帯(夫婦と子ども2人)では約203万円という結果になった。最大控除額の拡大に加え、減税が個人住民税まで拡大されたことから、家計の受ける減税額が大きくなった。

 ところで、10年間合計の減税額が最大控除額の500万円に達するケースは、当初の借入金が7300万円弱という場合だ。首都圏の新築住宅の契約者を対象とした調査(リクルートの平成19年調査)をみると、5000万円を超える借入金を有する住宅購入者の割合は、一戸建てで6.2%、マンションで4.2%に過ぎない。500万円もの控除を受ける購入者はきわめて少数にとどまるとの予想だ。

 なお、レポートは、今回の住宅ローン減税の拡充による住宅投資及び個人消費の押上げ効果を試算し、名目GDPを平成21年に0.3%、22年に0.5%程度押し上げるとして、一定の政策効果を期待している。ただし、経済環境の悪化によって、効果が顕在化しない可能性もあるとみており、今後、より大きな効果を期待するには、例えば個人住民税からの控除額の上限(9.75万円)を撤廃することなどが検討されてもいいと提案している。


(2009.4.14)